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ランボルギーニ ミウラP400 京商 1/18

今回は京商の1/18、ランボルギーニ・ミウラP400です。
第一次スーパーカーブーム世代でスーパーカーも大好きな私としては自分でも意外な事にこれがスーパーカー初登場となります。


ミウラP400


京商の1/18シリーズでは以前からミウラの後期モデルP400SVがリリースされていましたが、特徴的なマツゲを装備したP400かP400Sの登場を待っていた人も多いのではないでしょうか。
今回取り上げるのはリミテッドエディションとして登場したゴールドバージョンですが、このカラーは今でも比較的楽に入手できます。むしろその前にレギュラーカラーとして登場したボディ色レッド、スカート&ホイールゴールドの方が現時点では入手が難しいと思います。
※と、思ったらホビダスにも出店されているショップPITさんでは両方あるみたいです。


パッケージ   台座
パッケージ   台座

モデルはP400の生産前期型を再現しており、全体のプロポーションは京商のモデルらしく優秀ですし、SVとの細部の違いも良く再現されています。
残念な部分としてはボディ先端部下部がやや脹らみ気味でミウラのスマートさをやや損なっている気がします。
それと細かい処ではドア後部のエアーインテーク下部が絞り込まれていないのが、型抜き上の問題ではないかと思いますがチト残念です。
それ以外は細部の形状なども優秀で、塗装などもミウラのゴールドの色合いが良く出ていると思います。(スケール上粒子の細かさなどはそれなりですが)
ただ、今回残念だったのは購入したモデルはライトの左右の取り付け角度が少しずれており、完全に寝せた状態でも右側は少し起き上がった状態となってしまっていました。
このシリーズで取り付けの角度がずれていた等の話は良く聞きますので、こういった仕上げ部分のクオリティコントロールは今後京商さんの課題ではないでしょうか。
総体としては、1/48スケール辺りではハンドメイドのモデルでも完全に再現は難しいミウラの各部のフィンなど仕上がりは1/18ならではありますし、対価格比で満足度の高いモデルだと思います。


実車のミウラ開発はエンジニアのジャン・パオロ・ダラーラが個人的に進めていた「プロジェクト・ミニ」が発端となりました。
氏はミラノ工科大学を出、フェラーリ、マセラッティに在籍した後、創設間もないランボルギーニに入社し、その後もデ・トマソ、再びランボルギーニと渡り歩き、1972年には自らダラーラ・アウトモビリを設立、現在でもF1、F3、IRLなどレースマシンのシャーシ設計・生産にて第一線で活躍する優秀なエンジニアです。
「プロジェクト・ミニ」が進められたのはランボルギーニ初の量産車「350GT」の作業と平行してとの事ですので1964年頃でしょうか。
プロジェクト・ミニとは英国が世界に誇る名車、サー・アレックス・イシゴニスが設計したミニの直列4気筒ユニットをミッドに搭載し3シーターのキャビンを持った車の可能性を探ったものです。
2~3ヶ月という短い時間で基礎設計を終了した時点でそれはフェルッチオ・ランボルギーニに提案されました。


ミウラ前   ミウラ後

当時ミドシップで量産・販売されていたのは63年にデビューしたフランスのルネ・ボネ・ジェットくらい(250LMなどの少数生産のホロモゲモデルを除く)で、コンペティションモデル専用のレイアウトと思われていた時期でした。
プロジェクト・ミニは結局実車の制作にまでは至りませんでしたが、ミド・シップ車の開発はランボルギーニのブランドイメージ向上に寄与すると判断され、自社製V型12気筒エンジンをミドに搭載したシャーシの開発が正式にスタートしました。


サイド   トップ

開発の中心となったエンジニアはダターラ、そしてそれをサポートしたのが後にカウンタック等を設計する事になるパオロ・スタンツァーニです。
ダラーラがミド・エンジンシャーシの開発をするにあたって意識したのは当時ル・マンなどで活躍していた「フォードGT40」と「ミニ」だったといいます。
開発されたシャーシはプレス成形された圧延鋼板を組合わせて造られたボックス構造で、ツインチューブ式のセンターセクションに前後にフレームを連結した3部構成となっています。
スペース鋼管フレームを採用しなかったあたりにもGT40の影響がみてとれます。
エンジンはシャーシに横置きで搭載されます。運動性能的には縦置きの方が断然有利ですがミウラでは市販GTカーとして居住性を優先し当初から横置きを念頭に設計が進められました。
そして更にエンジン長をコンパクトにまとめる為にミニのエンジン構造を参考に、ギアボックスをクランク軸と平行に配置し、ディファレンシャルをそのセンターに置き、ケースを全て一体砂型鋳造しています。


フロント内部   エンジン部
フロントフード内   エンジンルーム

こうして開発されたベア・シャーシ「TP400」は1965年10月に開催されたトリノ・ショーに急遽展示され、同じミド・シップレイアウトを持った「デ・トマソ・マングスタ」のベアシャーシ共々センセーションを引き起こし、遂にランボルギーニもレースに進出かなどと大騒ぎになりました。
 ※ちなみにデ・トマソは同年から1500ccのミド・シップカー「ヴァッレルンガ」を少数ながら生産・販売しています。
この年の前年にはフェラーリ初の公道専用車「275GTB」や「ポルシェ911」がデビューしており、ミウラや翌年以降デビューした「マセラーティ・ギブリ」「デ・トマソ・マングスタ」「ディーノ206GT」などと共にスポーツカーの新しい時代、言うなれば「スーパーカー」の時代を切り開いて行く事になります。


給油口   トランク
フロントのルーバーも給油口側が開きます   トランク内はフエルトが貼られています

トリノ・ショーの開催期間中、様々なカロッツェリアがランボルギーニのブースにこの魅力的なベア・シャーシに自社製のボディを組合わせたいと訪ねたそうですが、その中からランボルギーニがパートナーとして選択したのはヌッチョ・ベルトーネ率いる名門ベルトーネでした。
ベルトーネは同年9月にそれまでチーフデザイナーだったジウジアローが退社し、まだ20代半ばだったマルチェロ・ガンディーニがその座についたばかりでした。
ジウジアローは後年ベルトーネに置いてきたスケッチのなかにミウラに似たプロファイルの物があったと話しており、これがミウラのオリジナルデザイナーがジウジアローなのかガンディーニなのかの議論の元となっていますが、少なくてもシャーシに合わせた実際のデザイン作業はガンディーニの手によって行われた事は間違い有りません。


デザインするガンディーニへのリクエストはただ一つ「世界を驚かせるような、美しいクルマを造ること」だったといいます。
その要望に応えてガンディーニは数ヶ月という短い作業期間で見事なまでに美しい曲線を持った造形を結実させます。
そして早くも翌66年3月、スペインで勇敢な闘牛を数多く生み出した牧場の名にちなんで「ミウラ」と名付けられたそのプロトタイプはジュネーブ・ショーには衝撃的なデビューを果たします。
この間僅か5ヶ月という驚異的な短期間でデザイン&製作されたボディですが、その完成度は高く生産型との大きな違いはルーフのリア部分が量産型のルーバーではなく透明なパネルとなっており、キャブレターの先端に特殊な消音装置を付けたV12エンジンが直視できる様になっており、ミドシップを外からも大きくアピールする様になっている程度です。


ホイール   リアビュー
ホイールやリアのミウラエンブレムもガンディーニのデザインです

一方シャーシの方は、クラッチやラジエーターのレイアウトが変更され、スペースの関係からキャブレターもサイドドラフト型からダウンドラフト型になっています。シャーシその物も生産性の向上を目指したと思われる細かい改訂が幾つも行われています。


このジュネーブ・ショー出展前、ランボルギーニではミウラの需要は20台前後と想定しており、その限られたユーザーに提供するスペシャルマシンとして考えていました。
これはミウラの値付けにも現れており、350GTなどがフェラーリより少し安く、マセラッティよりは高いという価格帯だったのに大して、フェラーリの275GTBが608万リラだったに対してミウラは771万リラと、より高額なスペシャリティと位置づけられている事が分かります。
しかし、予想に反しミウラはショー会場にて次々とオーダーが舞い込み、終了する頃には早くも100台近い注文を抱えてしまう事になります。
マスコミからは装飾的過ぎるなどあまり良い評価がされなかったミウラのボディでしたが、ユーザーは熱狂的に受入れたのです。
その結果、フェルッチオはミウラを限定車では無く量産車とする事を決定します。


コクピット01   コクピット02
ドアの内側も再現   伝統の中央大型コンソールに6連メーターも再現

量産化に向けてジュネーブ・ショー後、チーフテスターのボブ・ウォレスを中心に本格的なロードテストが開始されましたが、高速コーナーでの不安定性、デフのブロー、オーバーヒート、エンジンの不安定さ、ボディ剛性の不足、車内騒音・振動・遮熱など解決すべき問題は山積みでした。
ミウラの生産はシャーシの製作をマルケージ社が、ボディパネルの製作をシルバーカー社が行い、ベルトーネにてこの2つを組合わせ、更に内装の一部を施した後でランボルギーニの工場に運び込まます。
そして、ここでエンジンなどメカニカルパーツなどとの最終アッセンブリが行われるというのがミウラの生産工程ですが、その生産設備開発の確立にも時間がかかかりました。


セカンドプロトからは居住性の向上を狙いルーフ高は10mm上げられ逆にシート高は10mm下げられました。
また、透明パネルはエンジンの熱と音を逃がすために生産型と同じルーバーに改められました。
その他にもサスペンション、クラッチ、ブレーキ、シャーシなどが刻々と改められて行きましたが、それでもまだ全ての問題を完全には解決という訳にはいきませんでした。
しかし、大量に抱えたバックオーダーに押される形で67年の3月よりミウラのデリバリーは開始されました。
 ※その前に4台のプロトタイプのうち1台が66年末に納車されていますが。
それまで改良にあたっていたウォレスは後に「初期のミウラは我々のプライドを大きく傷つける作品だった」と後に語ったといいます。


ミウラ斜め前   ミウラ斜め後

ここで、改めてミウラの各部やスペックを確認してみましょう。
まずボディですが、フロントはミド・シップで有る事を強調するかの様に低く長いノーズが伸び、先端近くに特徴的なポップアップ式ヘッドライトがつきます。
ヘッドライトの周りに付くフィン、通称「マツゲ」と呼ばれる部分ですがこれはヘッドライトが立ち上がった時にそれがあまり目立たない様に付けられたそうです。
ボンネット上部の廃熱口にも飾りフィンが付いています。
ボディの前後はアルミ製で、応力は殆ど受けていませんが、中央のルーフ部だけは応力を受けるので鋼板製となっています。
ドア後部にあるフィンはエアインテークとなっており、エアボックスにフレッシュエアを送ります。ドア下部サッシ部のインテークはブレーキの冷却用となっています。
前後のホイールアーチを結ぶサイドラインは綺麗な曲線を描きながらも同時にスポーツカーらしい力強さにも溢れています。
リアに回るとエンジンからの廃熱処理の為に下半分が大胆に開かれハニカム構造のグリルが付き、低く横に広いために単調に見えかねないリアビューを引き締めています。
全体としては50~60年代にかけての流線型的なフォルムの曲線主体のデザインから70年代の直線と面で見せるデザインへの過度的なデザインと言えると思います。


ヘッドライト   ポップアップ
もう少しマツゲのフィンは薄いんですが大量生産品でこれ以上は無理ですね。   ヘッドライトをポップアップさせた状態

ボディのサイズは全長4360・全幅1780・全高1080(mm)。全高の低さが目立ちまし、実際に見てもペッタンコな印象が強いです。
重量は公式スペックでは980kgとなっていますが、実際はもう少し重いのではないかと思われます。いずれにしろ4000cc級としては軽めのボディです。
そして、エンジンは横置きながらもコンパクトにまとめられた水冷V型12気筒DOHC、3929cc。圧縮比は9.8、最高出力は350/7000(HP/rpm)、最大トルクは37.5/5100(kgm/rpm )を絞り出します。
サスペンションは当時としてはモダンな全輪独立懸架の前後ともにダブルウィッシュボーン。これにブレーキとして4輪ともディスクブレーキが装備されますが、前輪のベンチレーテッドタイプに対して後輪はソリッドディスクとなっています。
DOHCや四輪ディスクブレーキなどは、当時フェラーリでも標準化はされていない先進の装備でしたので、これがミド・シップのシャーシに載って出てきたとき当時のマスコミがランボルギーニもレースに進出か?と騒いだのも無理からぬというものであります。


フルオープン後   フルオープン前
カウルとドアをフルオープンした状態

ミウラの改良は出荷開始後も引き続き行われ、パーツによってはロット毎に形状が違うものなども有るそうです。
そして、最初の大きな改良は出荷開始約1年後に行われました。これによってシャーシが根本的な改良を受け、使用されていたセンターセクションの鋼板Fe37パネル厚が8mm
から9mm(10mmとの説も有り)に変更され剛性が大幅にアップしました。これにより高速時のコーナーリング、騒音、振動などかなり改善があったいいます。
また、この剛性の改良を受けタイヤも70扁平タイプに変更されています。


その後もSパッケージの登場、エンジンなども改良されたP400SVの登場、そしてイオタの話などミウラの伝続きますが、もういい加減長くなりましたのでそれはまたの機会ということにしたいと思います。


昨年から今年にかけてミウラは生誕40周年という事で見直しと記念行事が続いています。
特にデトロイトショーで発表されたミウラ・コンセプトは一回り大きいものの基本的な雰囲気はそのまま了承しており、市販化が楽しみなモデルです。
また、本日行われるルマン24時間レースにはJLOC(ジャパン ランボルギーニ オーナーズ クラブ)が参加されています。今年は残念ながら日本でのTV中継は無いようですが活躍を期待したいですね。
JLOCチームの桧井保孝選手のブログはコチラです。


ミウラ上方から
京商 1/18 Gorgeous Collection No.08312GL
ランボルギーニ ミウラP400 (ゴールド)
 
実車スペック
  大きさ 4360×1780×1080mm
  ホイールベース 2620mm
  重量 980kg
  エンジン 水冷V型12気筒DOHC 3929cc
  最高出力 350HP/7000rpm
  最大トルク 37.5kgm/5100rpm
  駆動形式 MR5速
  サスペンション 前/後: ダブルウィッシュボーン
  ブレーキ 前/後: ディスク

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【2006/06/17 03:06】 | ミニカー イタリア車 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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